―入社の動機についてお聞かせ下さい。
神成:新潟の水産学校卒なので、知識を活かせる水産物に関わる職業に就きたいと考えていました。学校の求人を見て埼玉県に海がないのに市場がある事を知り、内陸で新鮮な水産物を扱う流通の仕組みなどに興味もあり、海が近くなくても新鮮な水産物を消費者に提供できる一員になりたいと思い入社を希望しました。
―仕事の内容についてお聞かせ下さい。
神成:全国全世界の水産物を、電話やSNSなどを使い、荷主(にぬし、各浜の出荷者)と連絡を取り、水産物の販売を任された私たち卸売(おろしうり)業者が集荷し、水産物を買う仲卸(なかおろし)業者などへ競り販売や相対販売をしています。
―仕事の楽しいと感じる内容・場面、逆に苦しいと感じる内容・場面についてお聞かせ下さい。
また、その理由についても教えて下さい。
神成:目利きのプロを相手に世間話から水産物の濃い内容の話まで色々な人と色々な話が出来る事が楽しいと感じます。一般の人が寝ている時間帯に働いていますから、素面でこんな場面は中々ないと思いますよ。その中で真剣な取引(やり取り)をしていくって楽しいですよね。水産物のスキルアップはもちろんですが、人としても成長できると思います。
苦しいと感じる内容とか場面はないですね。どんな仕事でも楽ではないでしょ?仮に苦しいと感じる事があったら仲間と酒呑んで忘れちゃうかな(笑)
―仕事をするうえで、どのような内容あるいはどんな場面で「やりがい」を感じますか?
神成:毎日違う水産物での取引ができる事、例えば冷凍マグロで言えば100本集荷して100本とも内容が違うという事、同じ魚種でも似たような質の魚はあるが瓜二つの魚はいないという事です。自然相手の商売でもありますからね。
練り製品や規格製品は、手を加えてある加工品が主なので日本の行事に沿って大口の商談が決まったりすると嬉しいですね。
―入社してから現在までで一番印象に残っているエピソードを教えて下さい。
神成:水産物全般ではなく、マグロについてとなってしまいますが、初めて青森県大間産の本マグロを集荷販売した事ですかね。しかも解体販売で扱うと聞き立会いまでしましたから。サイズは70kg台と本マグロにしては小ぶりでしたが、脂といい赤身の質といい最高のマグロでした。とにかく甘い!さすが天然!脂もしつこくなく、とにかく上品!品格が違うというか・・・。 築地で高値で取引される理由がわかりましたよ。でも大間産に限らずマグロって美味しいですよね(笑)
―入社前と入社後のギャップについて教えて下さい。
神成:市場って海の近くにしか存在しないものだと思っていました。入社して流通の仕組みを知り、海がなくても新鮮な水産物を提供できるんだと初めて実感しました。漁師町の朝は早いといいますが、内陸部でも朝は早い(夜中ですけど)んです!
余談ですが、人の体は日が昇る時間に起き、日が沈む時間に寝る、という形が一番健康的なのではと思います。
時間帯が不規則な為なのか自分の食事管理が悪いのか、入社当時から体重が10kg程増しました(笑)
―これからどんな仕事をしていきたいか?あるいは目標や習得したい技能について。
神成:海から離れた地域でも、新鮮で美味しい水産物を消費者の皆様に食べて頂く、と同時に食文化を支える役割として、水産物に恵まれ、四季折々、様々な自然と永い歴史に育まれた日本食の魅力を次世代に伝えていく、そんな会社であり明るい雰囲気の職場でありたいと考えます。
―就職活動中の学生へのメッセージ
神成:多くの企業、多くの人との出会いを大切にしてください。自分が気づかないような大切なことを教えてくれます。また、就活は自分のことをよく知る、とっておきの機会です。無駄にしないように、最後までしっかりと「自分」と向き合ってください。今しかできない貴重な経験です。自分に自信を持って、ぜひ就活を楽しんでください!
―好きな水産物を教えて下さい。
神成:寿司。日本料理の代表であり米飯と魚介類を見事に組み合わせた最高の食ですよね!