―入社の動機についてお聞かせ下さい。
石井:海洋学部を卒業し、海に関係する仕事に就きたいと思い就職活動をしていたところ、海に面していない内陸存在する市場である埼玉県魚市場の存在を知りました。海に面していないという市場としては珍しい環境に興味を持ち入社したいという思いを持ちました。
―仕事の内容についてお聞かせ下さい。
石井:配属される課によっても大きく変わってきますが、変わらないものとしては仲卸の方やお客さんとのコミュニケーションです。毎日同じ人と会って仕事をするので円滑なコミュニケーションは仕事へ影響も大きく大事な仕事の1つと言えるでしょう。日常的に行うものとしては商品を売り、売ったものの値段や数量のデータ化、お客さんからの注文や翌日売る商品の発注などが主な作業となります。
―仕事の楽しいと感じる内容・場面、逆に苦しいと感じる内容・場面についてお聞かせ下さい。
また、その理由についても教えて下さい。
石井:市場という特性上、全国から様々な商品が集まってくるため普段見ないような商品を扱う事ができます。どのような場所からどのような商品が来るのかを見ることが出来るので、仕事をしながら勉強にもなりとても楽しいです。一方で、朝が早い仕事のため起きる時間も同様に早くなってしまいます。早起きが苦手な人にとっては生活リズムが整うまではつらいものになると思います。
―仕事をするうえで、どのような内容あるいはどんな場面で「やりがい」を感じますか?
石井:商品の詳しい内容や良さを伝え、それがきっかけで仲卸さんやお客さんに買っていただけた時はとてもやりがいを感じることが出来ます。食品を扱う上で、流通の間に入る私達には食の安心安全を届ける義務があり、それが達成されることでこの仕事のやりがいを強く感じる事が出来るように思います。
―入社してから現在までで一番印象に残っているエピソードを教えて下さい。
石井:春夏や秋冬での商品転換時期になると、メーカーさんや荷主さん達が新商品などを紹介する商品展示会というものが開催されます。埼玉県魚市場でも春夏・秋冬・年末商品の時期に開催され、様々な商品が並びます。初めて参加した展示会では普段見るものから新商品まで数えきれない商品を見ることができ、あまりの種類の多さに圧倒されたことを覚えています。この業界特有のイベントであるとともにとても良い経験になりました。
―入社前と入社後のギャップについて教えて下さい。
石井:市場の中で働く仲卸さんのイメージは職人気質で怖いイメージでしたが、入社してお付き合いさせて頂くとだいぶ印象が変わりました。職人気質であることには変わりないですが、やさしい方が多く入社したての緊張した私に気さくに話かけて下さった事はとてもありがたかったです。
―これからどんな仕事をしていきたいか?あるいは目標や習得したい技能について。
石井:入社1年目なのでまだまだ分からない事の方が多いですが、自分の出来る範囲を少しづつ広げ一人前になる事が当面の目標です。昨今では食品の流通事情や市場の役割自体が変化しつつありますが、変化していく時代のニーズを的確に捉えた仕事を出来るようにしていきたいと思っています。
―就職活動中の学生へのメッセージ
石井:1つだけ言いたい事は自分の就職したい業種の方向性はなるべく守ってほしいという事です。なかなか内定が決まらず自分の希望している業種でない業種に妥協したくなる事もあると思います。仕事は良い事ばかりではなくつらい事も多いですが、自分から入りたいと思った仕事であればつらい事も乗り越えられると思います。一生付きあう事になるであろう仕事を選ぶなら、一生付きあいたいと思える仕事に就けたら最高だと思います。
―好きな水産物を教えて下さい。
石井:強いてあげるならチョウクラゲ。遊泳時の動きが独特で名前の由来にもなっています。
袖のような器官で力強く泳ぐ姿は一般的なクラゲと違って可愛いです。羽ばたくように動きながら光る光景は見ていてとても癒されます。