2月3日は節分です。
節分は「季節を分ける」ことを意味し、各季節の始まりの日である立春・立夏・立秋・立冬の前日を指します。そのため季節ごとに節分はありますが、旧暦では春(立春)を1年の始まりとしていたため、特に春の節分を大切にしていたといわれています。
さて、節分と魚市場にはどのような関係があるのでしょうか。
節分と言えば、豆まきと恵方巻き、それに「いわし」です。
恵方巻き同様、そもそもは西日本の風習のようで、いわしを食べるだけでなく、いわしの頭を玄関先に飾ったりもします。
そのあたりの由来などは割愛させていただきますが、こちらでは「伊勢湾いわし丸干し」をご紹介します。
これは愛知県の豊浜漁港で9月から11月にかけて水揚げされたいわしを塩のみで干しあげたものです。この伊勢湾の丸干しいわしの特徴は、漁場が近いために鮮度が良いというだけでなく、いわし自体の骨がやわらかく食べやすいうえ、頭と内臓が小さめなので、苦味が少ないということです。
「いわし」は魚偏に「弱」と書きます。これは傷みやすく弱い魚であるところからこの字が充てられたといわれています。そのような魚をおいしくいただくために様々な工夫がされてきました。
この「伊勢湾いわし丸干し」もそうした先人の苦労が今につながったものといえるのかもしれません。