今回は多くの謎に包まれた神秘的な生き物で、春に旬を迎える「ホタルイカ」をご紹介します。

ホタルイカは昔、富山県で「まついか」と呼ばれていましたが、
1905年(明治38年)に動物学者・渡瀬庄三郎博士が蛍の調査で富山県を訪れた際に蛍のように美しく光るイカを見て「ホタルイカ」と名付けました。
また、学名は渡瀬博士の名前にちなみ「Watasenia scintillans」(ワタセニア・シンティランス)と命名されました。

ホタルイカは春に生まれ、1年でその一生を終えます。
富山湾には産卵の時期に集まり、数百万匹の大群が海面に放つ光はとても美しく、常願寺川河口から魚津港までの沖合1.3Kmは「ホタルイカ群遊海面」として国の特別天然記念物に指定されています。

また、その海面に放つ青白い光はとても明るいですが、熱くないのです。
発光のメカニズムは、ルシフェリンという発光物質とルシフェラーゼという発光促進物質が混合することで、ルシフェリン-ルシフェラーゼ反応が起こり発光します。
この光は熱を持たないため、「冷光」と呼ばれています。
発光機は腕の先と腹側についており、発光する理由は光で身を守ったり、身を隠したり、会話をしているからなどといわれています。

ホタルイカの調理法は酢味噌和え、沖漬け、炒め物、佃煮等の煮物、素干し、天ぷら、唐揚げなど様々です。
下処理の方法は以下の通りです。

①ザルにあけて水洗いする。
②目の下を外側の黒い部分と一緒に取り除く。
③頭を持って裏返して口をつまみ、引っ張る。
④頭の上の部分をつまむと筋(軟骨)があるため、筋の下の部分から引っ張る。
※ホタルイカは柔らかいので、洗う時に手荒に揉んだり触ったりしないように注意して下さい。
また、冷凍保存するときにはラップをして空気を十分に抜いて下さい。
冷凍焼けや酸化を防ぐことができます。

見ても良し、食べても良しのホタルイカ
是非召し上がってみてください。