先週の「市場あれこれ」でご紹介しましたが、
先月、弊社の新入社員4名が株式会社小田原鈴廣様に研修でお世話になってきました

そこで今回の「旬のオススメ」では、
おせち料理にはまだ少し早いですが、小田原の蒲鉾」をご紹介します

小田原は相模湾に面していたことから戦国時代から漁業が盛んで、
小田原の蒲鉾作りもその起源は戦国時代とも江戸時代ともいわれています。
特に江戸時代には小田原が東海道の宿場町であったことから蒲鉾は宿屋での膳として用いられたようです。

その後は周辺の東京や横浜が大きな消費地に成長したこと、
また、伊豆・箱根が観光地としての地位を確立したことなども
小田原の蒲鉾が名産品として知られる一因になったと考えられます。

現在でも小田原の蒲鉾は、
13の業者小田原蒲鉾協同組合加入がそのブランドを守り続けています。

蒲鉾の原料は全国的には「スケソウダラ」のすり身を使うのが一般的です。
当然、小田原も例外ではありませんが、
小田原では「グチ」という白身魚のすり身を使うことにこだわり、その使用量は全国一です
このグチにより小田原蒲鉾の色艶・弾力性・味などの特色を生み出し、
グチを使用した蒲鉾は小田原の高級蒲鉾の代名詞とも言われているそうです。

当然、水にもこだわりがあります
蒲鉾作りにはカルシウムやマグネシウムを適度に含んだ硬度がやや高い天然水が使用されます。
その製造過程において水をふんだんに使用しなければならない蒲鉾づくりにおいて、
小田原の豊富な地下水は欠かせないものとなっています。

また、板にはモミの木が使用されることが多いのですが、それにも理由があります。
モミの木の特徴は匂いが無いだけでなく、吸湿性・抗菌性にも優れています。
そうしたことから食べ物に直に接する木材としては最適なものといえ、
蒲鉾に限らず、色々な場面でモミの木が用いられています。
蒲鉾の板としての役割の後は、板に絵を描いて「板絵」としても楽しまれています。
これも木目の入り方にまでこだわりを持っているからといえるでしょう。

一口に小田原蒲鉾と言っても商品の特徴は様々。
是非、小田原の利き蒲鉾?などいかがでしょうか