今年の大河ドラマの「西郷どん」が始まって1ヶ月以上経ちますが、出演者もかなり豪華なようで視聴率も堅調だそうです。

そこで、ちょっと人気にあやかって当市場で入荷している鹿児島の魚を2回に渡って特集してみることにしました。

 

1回目、まずは「鰆(サワラ)」です。

西京焼きなどで食す機会が多い魚ではないでしょうか。

この鰆、実は大きさによって呼び方が変わる出世魚で小型魚を「サゴシ」、大型魚を「サワラ」と呼び、「サゴシ」は1年を通して入荷される魚です。

鰆は回遊魚のため、関東と関西では旬が異なります。関東では寒鰆が好まれるため、12月から2月。一方、関西は春鰆が好まれるということで、3月から5月が旬だそうです。

さて、この魚の語源は諸説あるようですが、もともとの仮名遣いが「サハラ」と書き、「サ」は「狭い」、「ハラ」は「腹」で、腹が細い魚体の意が転じて「サハラ」と呼ばれるようになったというのが有力なようで、マグロを細くしたようだともいわれていたそうです。

魚偏に「春」と書いてサワラ。瀬戸内海では読んで字のごとく「春を告げる魚」とされているようです。まだまだ寒い日が続く今日この頃ですが、暖かい春が待ち遠しいものです。

 

続いては「ヒラメ」です。

高級白身魚の代名詞の1つです。

刺身や煮付け、フライ、ムニエルなど和洋様々な調理法で食され、最近は回転ずしでも見られるようになりましたが、やはり高級すし店で提供される「縁側」や肝などは垂涎の的ではないでしょうか。

漢字では「平目」とも「鮃」とも書きますが、魚偏に「平」と書くのは魚体がひらたいことからきているようです。このあたりは以前ご紹介した同じカレイ目である鰈が「葉」のように薄い魚体から「鰈」という字が充てられたことも似ているのかもしれません。

ご紹介している鹿児島(九州南部)では1月から3月が産卵期で、この時期のヒラメは脂がのっているだけでなく、身も引き締まっていてまさに旬です。養殖や輸入物が多く出回って通年でおいしく食べられるようになっていますが、当市場では天然物のヒラメをご用意しています。

 

鹿児島特集①の最後として、ヒラスズキのご案内します。

スズキの仲間ですが、かなり異なる点も多いです。

まず何よりもスズキほど知名度が高くありません。これは入荷量が少ないせいもあるでしょう。ですが、人気が無いわけではなくスズキのような淡水魚独特の臭みは無く、味もイサキやマダイに近いと言われています。

一般に出回る機会が少ないせいか、お値段も高級魚に分類される傾向にあります。

生息地は太平洋側では房総半島から、日本海側は能登半島から九州にかけてと広く分布しています。今回、使用している写真は鹿児島県いちき串木野市の荷主さんからの商品で、いちき串木野市はマグロの遠洋漁業が盛んだそうです。

ヒラスズキの旬は冬で、まさにこの時期。刺身や塩焼きなどの和食からムニエルなどの洋食の調理法もたくさん紹介されています。ですが、やはり値段の張る高級魚。寒い日には汁物を料亭などでいただいてみたいものです。

 

また来月も鹿児島の魚をご案内するので、皆さんお楽しみに😊